創刊の言葉
光成高志
2011年4月記
今回の東日本大震災のことを思わざるを得ない。
芭蕉没年は元禄七年、九年後の元禄十六年二月に赤穂義士が皆亡くなって、その年の暮に元禄大地震が起こった。
大正十一年に鴎外が亡くなって一年あまりで、関東大地震が起こった。
誓子先生が亡くなって、一年未満で阪神淡路大震災に見舞われた。
今回の地震は、嘉久先生が亡くなって三ヶ月後のことである。
そして、白金葭創刊句会の一週間前のことであった。
M9.0という未経験の巨大地震である。
日本は青い美しい島国であるが、天災に見舞われ続けている。それが大和心を育んできたのではないでしょうか。自然をありのまま受容れて、造化に従いて四時を友として生活して行きたいと思います。日々の生活を大切にして、その中に季節を感じつつ、季節感を俳句に定着させたいと思います。その際、やはり誓子先生の言葉が脳裏を離れません。『自然の物を写生し、物と物との結合を把握し、その物を客観描写によって、季節感を詠う。これが、芭蕉から現代に伝わった正統俳句である。』というものである。
その季節感、生活感を共有する場として、この白金葭なる小冊子を作成します。そして出来れば、自然のありふれた素材に深い意味を見出し、さらに、その物と季語との新たなる関係を見出して、季語の本意に格上げする努力をしたいと存じます。これが私の創刊の言葉です。
この小誌を現代社会に生きる感覚を持った文芸誌に成長させたい所存であります。
2025/12 光成高志
私は高2の春、奥の細道を読んで感動しその余韻が長く続きました。源氏物語も中途半端で終わっていた。いつか精読しなければと思い続け、40代半ばになって俳句を作るようになって再読しまして現代に至っています。俳句は山口誓子晩年の弟子と自任しています。芭蕉晩年の軽みの句とはどのようなものであるか、それを掴み、その以後の俳句はどのように変わっていったのか、現代まで探っていこうと今思うと大風呂敷を広げたようなテーマを掲げ、現代も書いております。そのような気持ちにて作句生活を送っています。
